カテゴリー
WEBLOG 労務関連

定期券○ヶ月論争

こんにちは、富山です。

今回のお話は交通費について!

多くの企業でフルタイムの

正社員には6ヶ月の定期券を

支給しているのでは

ないでしょうか。



私も銀行員時代は同じく

6ヶ月定期でした。



6ヶ月定期のメリットとしては

「最も安く定期券が買える」

という点ではないでしょうか。



以前のブログ

「なんで新人2人の給料が違うの?」

に登場する、

熊さんの例で見ていきましょう!



とみやま社労士事務所に入社

することになった(仮)

架空人物の熊さん

大卒新卒

給与:20万円(月給)

最寄り駅:西馬込

浅草線(五反田)~山手線(渋谷)
~銀座線(表参道)

のルートで来ることにした場合、

1か月の定期代は19,310円

6ヶ月の定期代は101,320円
(1ヶ月換算約16,886円)



会社としては半年間で

約14,500円の節約になります。

1ヶ月単位で見ても

約2,400円安いです。



社会保険料の等級を判断する際、

6ヶ月定期でも6で割って

1ヶ月分の交通費として

計算するため、

その他の給与次第では

社会保険の等級が下がり、

社会保険料も節約になります。



ここまでが6ヶ月定期の

主たるメリットになります。



では今度は・・・

熊さんが入社3日で

「富山さんとは合わないから

辞めます!」


といって突然来なくなり

音信不通となり

いわゆる「飛んでしまった」

となったらどうでしょう?^^;



入社時に

「最初のお給料出る前に

いきなりの出費は大変だから!」


定期代を先に渡すケースは

よくあると思います。



お給料は今回の例では

計算しやすいように

月の稼働日を20日として、

1日あたりの給与を1万円

として計算すると、

3日間働いた熊さんに支給した

お給料は3万円です。




正規な手続きを踏むとしたら、

熊さんに定期券を解約してもらい、

差額を返済(給与との相殺)

という形が良いでしょう。



そこで私が定期代を先に

渡していた場合・・・

1か月の定期代は19,310円

6ヶ月の定期代は101,320円



これを解約してもらい、

返金額で清算するわけですが、

連絡も取れないので

こちらも日割り計算します。



1か月定期はお給料で

問題なく相殺できます。

6か月定期は熊さんに

差額を返してもらう

必要があります。



でも、音信不通・・・。



さて、どうしましょう?

内容証明郵便郵送?

身元保証人に連絡?
(そもそも身元保証人
もらってる?)

弁護士に相談?
(さすがに社労士の権限外)

でも弁護士相談料の方が、

返してもらうお金より高い・・・



さて、どうしましょう?^^;



こうした事態を予防するための、

一律「こうしましょう!」という

アドバイスはありません。



会社の業種やこれまでの社員定着率

等を鑑み、総合的な予防の

アドバイスをすることになります。

また、テレワークも普及した今、

オフィスでどこまで

仕事をするのか?

というのも検討の際の重要な

ポイントになります。





では、私が社員を雇うとしたら

どうするか?

テレワークなしの出社前提と

した場合、



・最初の6か月は1か月定期にして、

以後、継続的な勤務が

見込めそうでしたら、

6か月定期に切り替える。



または、



・1か月定期で支払い続ける。



のどちらかにすると思います。



ただ、いずれにせよ音信不通等

不測の事態に備えて

緊急時の連絡先や身元保証人等の

情報は入社時に提出して頂く

体制を整えます。



また、もし週5日未満の

パートの場合、

定期券を買わずに

実費精算にした方が、

総じて安いケースもあります。



平日の少ない2月や5月、

休みを取る人の多い

7月、8月、12月、1月

は稼働日数が減るため、

出勤日数分の交通費を

事後清算にした方が

最終的には安上がり

かもしれません。




定期券〇か月論争

正解はないですが、

こうした細かいところでも、

”人を雇う”ことによって

発生する悩みです。

それにとことんお付き合いするのが

社労士です!

是非お気軽に

お問い合わせください。




富山 直樹


<編集後記>

今回の事例、

「いやいや、飛ぶなんて

めったにないでしょ(笑)」

と思われるかもしれません。

実際に私もそう思っていました。



社労士事務所に勤める

前までは(笑)



お堅いイメージの

銀行員時代には

10年で1度だけそういう

話を聞いたことがありました。



社労士事務所では

2年修行しました。

顧問先からそういう話を

結構聞きました(笑)



いずれ人を雇う段階になったら、

事例のようにならないよう、

ちゃんとした体制を整え、

3日で「合わない」なんて

言われない所長になれるよう

頑張ります^^;

カテゴリー
WEBLOG 労務関連

最低賃金割れの正社員?

こんにちは、富山です。

2022年10月改正シリーズで、

今回は最低賃金について

お話しします。


地域別最低賃金が改正され、

2022年10月から東京都は

1,072円/時

となりました。


「パートタイマーの話でしょ?」

と油断することなかれ!

月給勤務の正社員でも

最低賃金割れの恐れがあります。



具体例としまして、

とみやま社労士事務所に

以下の3名の職員がいたとします。

※解りやすく極端な例で

ご紹介することを

ご了承ください(笑)



この中で今回の改正で、

現在、最低賃金を

割っていないのは?



①八っつぁん

給与:20万円(月給)

内訳
基本給 :18万円
職務手当: 2万円



②熊さん

給与:22万円(月給)

内訳
基本給 :180,440円
家族手当:20,000円
固定残業代:19,560円
(15時間分)



③与太郎

給与:24万円(月給)

内訳:
基本給:181,095円
固定残業代:58,905円
(45時間分)


注)あくまで極端な例です^^;

(1ヶ月平均労働時間を

173時間として計算)



さて、この3名!

最低賃金を割っていないのは・・・



①八っつぁん だけになります。



時給で出すとそれぞれ、


①八っつぁん:1,156円

②熊さん :1,043円

③与太郎 :1,047円



となります。



月給だけで見ると、

八っつぁんが一番安いですが、



与太郎は固定残業の

時間設定が多い。



熊さんは支給されている

「家族手当」が

残業代、最低賃金を計算

する際は除外される。



以上のような点から、

2人は最低賃金を

割ってしまいます。



しかし、仮に熊さんに

支給されている手当、

2万円が家族手当ではなく、

職務手当であった場合、

また話は変わってきます。



先にもお話しした通り、

子供手当は残業代の

計算基礎からも除外されるので、

基本給との内訳も変わってきます。



この辺りのお話は

かなりややこしいので、

また別の機会にでも^^;



こうした賃金形態の見直しも

承っております。


最低賃金の改正をきっかけに、

手当や固定残業を

見直してみませんか?

チェックだけでも承ります。



是非、ご相談ください!



富山 直樹



<編集後記>

修行をしていた

社労士事務所が

こうした労務コンサルを

強みにしていたので、

固定残業代の計算は

入社早々から担当し、

何社も経験いたしました。



本当に良い勉強を

させていただいたと

思っています。



エクセルで計算シートを

作っていましたが、

代表の先生に口酸っぱく

注意されたこと。



「最後は必ず電卓入れろ!」



実際に式がずれていたり、

勤務形態の違う社員が混在し、

正しくなかったりと言った内容が

発見されることも…



今回の

八っつぁん、熊さん、与太郎

のお給料もしっかり、

エクセル入力後、

電卓でも計算いたしました!